GID学会 第19回研究大会・総会の入場料問題に関する公開質問状

GID 学会 第19 回研究大会・総会事務局 御中

「トランスジェンダリズム宣言」(社会批評社)編著者 米澤 泉美
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前略

来る2017年3月18・19両日にわたり、札幌医科大学にて開催される、GID学会 第19回研究大会・総会(以下、「今回の大会」とします。)につき、参加予定者の立場として、率直な疑問をいだいたため、以下に質問させていただきます。
http://gid19.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=62219(以下、「ご案内」とします。)によりますと、今回の大会においては、参加費として「医師・研究者・一般は8000円、当事者は5000円、学生(大学院生・初期研修医含む)は1000円」がかかることが公開されています。
しかしこのことは、今回の大会の開催意義に照らしても、重大な問題をはらんでいると言わざるを得ません。

1) 「当事者」とは?
そもそも「当事者」とは何かが何ら示されていません。
もちろん、そもそものGID学会の趣旨からすると、それが「性同一性障害と診断された者」を主に含んでいることは推察できます。が、それ以外の者、たとえば「性同一性障害との診断を受けたことがあるが、性同一性障害に関する診断と治療のガイドラインに準拠した診断ではなかった」「性転換症との診断を受けたことがあるが、性同一性障害との診断を受けたことはない」「性同一性障害との診断を受けたことがないが、何らかの性別違和とよばれる感覚を持つ」「トランスジェンダーである」「いわゆるXジェンダーである」などの者は、「当事者」たりえるのか否かが、まったく不明です。
またあるいは、そのような狭義の「当事者」だけが本当にこの「問題」の当事者なのだろうか、という考え方もあります。狭義の「当事者」を支える活動をされている方は当事者ではないのか? これを否定できる根拠は、少なくともGID学会の会則にはみあたりません。
参加費に差異を設けるにもかかわらず、その基準についてまったく触れられていないことは、参加者に対して不親切ではないでしょうか。

2) 「当事者」か否かは誰が判定するのか?
1)で触れた「当事者」の定義が、仮に「性同一性障害との診断を受けた者」であるならば、その診断書等の持参が必要になる可能性がありますが、そのようなことはいっさい、「ご案内」には触れられていません。
いっぽう、「ご案内」には「参加の事前受付はございません」と明記されており、「当事者」か否かの判定は開催当日の受付で行われるとしか読み取れません。
診断書等の持参も必須でなく、かつ当日の受付しか行われない、という状況下で、いったいどのような判定が行われるというのでしょうか。
このことが明記されていないことで、「当日の判定」に対し恐怖を感じる参加希望者がいる可能性はじゅうぶんにあり得ます。

3) 「当事者」であることのカミングアウト
仮に1)および2)がクリアーになったとしても、大きな問題があります。
それは、「当事者であることを、少なくとも主催者にカミングアウトしなければならない」という大問題です。
言うまでもなく、1)で挙げたさまざまな例を含む「狭義の「当事者」」が、他者に対し自らの特性についてカミングアウトをすることには、さまざまな深い問題があります。ましてや、職場や学校などのさまざまな社会集団の内部でカミングアウトを禁止される/強制されることが、どれほど当人にとって重大な問題であることかは、少なくともGID学会においては十二分に周知されていることではないでしょうか。
またあるいは、1)が「支援者も当事者である」という考え方であり、かつその支援者が参加するという場合でも、「狭義の「当事者」が自らの当事者経緯を隠しつつ支援をしている」ようなケースで、カミングアウト問題はあり得るところです。
にもかかわらず、この参加費の問題は、経済問題を通じて強制すること、もしくは強制を避けるために経済問題を犠牲にせざるを得ないこと、このいずれかを強いる可能性があるものであり、決して許されるものではないと考えます。

以上を踏まえ、以下の4つの質問にご回答いただきたく存じます。
ご回答は郵送または電子メールとさせていただき、期限は2017年2月24日24時必着とさせていただきます。
なお、ご回答はそのまま、インターネット上、および紙媒体上で公開させていただきます。

質問1)今回の大会における参加費が5000円となる「当事者」とは、いったいどのような者を指すのでしょうか? 明確にお答えください。
質問2)上記質問1)における「当事者」かどうかを、当日「判別」する手続きはどのようなものでしょうか? 明確にお答えください。
質問3)質問2)の手続きによって、質問1)で言う「当事者」が、カミングアウトを強いられる可能性があることについて、貴事務局の認識をお答えください。
質問4)質問2)の手続きについて、質問1)で言う「当事者」の参加者が「当事者である」ことをカミングアウトするような場合、その「情報」を保護するための具体的な方策をお知らせください。

以上